子供のサッカーにおけるトレセンの重要性
ある程度、頑張っているサッカー少年とそのご家族には気になる話題。
それが『トレセン』のことですよね。
昔で言う、『〇〇選抜』。
様々なブログでも結構トレセンネタ出てきますし、トレセン・セレクションについての書籍まで売っているくらい関心が高いキーワードだと思います。
そんなトレセンの都市伝説的ネタを個人的に綴りますので、『いやいや、それは違うでしょ~』と噂程度に読み流してください。
◎トレセンに選ばれるのがそんなに大事?
はっきりいいましょう。いろんな意味で超重要です。
サッカーに熱心な親御さんのみならず、子供たち本人にとっても『トレセンに選ばれる』ことはひとつの勲章であり、ステータスなのです。
人はランク付けして生きるのが当たり前。
スポーツは全力を出すことが大事などとキレイ事は言いたくありません。
それは子供たちも同じで、トレセンに選出された・不合格だった・・・はサッカー選手としてのランク付けされたと心に残りその後のサッカー人生に大きく関わります。
もちろん、将来の進学に関してもトレセン活動は影響しますので、選ばれるチャンスがあるなら選ばれておいて損はありません。
小学校のときに〇〇トレセンだった~なんて過去の栄光は、高校年代ではなんの意味もありませんがね。
とにかく、真剣にサッカーをする以上は狙うべきひとつの指標です。
不合格になり、ライバルと差を付けられても『実力差じゃない』と負け惜しみ言わなくてもいいように、実力を上げてトレセンにこだわりましょう。
◎どうすればトレセンに選ばれるの?
選出システムやセレクションの内容・回数は各地域で直接確認してください。
一般的には4年生になる段階で、J下部組織以外のチームの有力選手が集められてセレクションで地域のトレセンの合否が決まるところからスタートします。
まず大事なのは、所属チームの監督に認められなければならないということ。
トレセンのセレクションは受けたい選手が誰でも受けられる試験ではありません。
あくまでも、トレセンに推薦したいと『監督が思う選手』が受験資格を得るので、チームでスタメンを張っているから選ばれるとも限りません。
しかも、小規模地域のトレセンだとサッカーの裾野を広げるために『1チームからセレクション受験人数は5人』とはっきり決まっている場合も多い。
そう、実は強いチームにいることが不利に働くことも大いにあるのです。
同じ実力だったとしても、強豪のBチームベンチよりも弱小チームのエースのほうがチャンスは広がるでしょう。
したがって、『トレセン』だけに着目した場合は、幼少期より強豪チームに所属するよりは、まず中堅チームに所属し当然のようにトレセンに選ばれた後で、強豪チームに移籍するのがベストです。
一度トレセンに選ばれてしまえば、チームを移籍しても基本的にその地位は守られます。
移籍したからといって資格剥奪されるものではないので、まずは第一関門を突破しないとチャンスはしばらく回ってこないかもしれないですからね。
受験と同じで、ボーダーライン上の選手には作戦が必要なのです。
◎なぜ下手くそなB君が選ばれてうちの子が不合格に!!
先ほども書きましたが、まず選ぶのは監督であり、トレセンスタッフなので、所詮は『人間の目』。
同じような実力なら、なんとなくスタッフの好みや個人的こだわりで選びますよ。
しかし、上のトレセンになればなるほど、ポジションごとの特性やフィジカル、ボールテクニック以外の様々な技術、将来性、性格等、素人には判断できない基準があることも間違いありません。
上手いだけの選手を大勢集めても仕方ありません。
トレセンを一つのサッカーチームと考えると解りますよね?
このあたりのポイントが『ウチの子の方が上手いのに!』といった勘違い妬みを生む原因でもあります。
おそらく、チームメイトのB君が受かって君が落ちたのなら、違う特徴を持った選手なのではないでしょうか。
その場合は君のトレセン的ライバルはB君ではなく、同じプレイスタイルを持ちトレセンに選ばれた別チームのC君なのです。
そういった比較論を親御さんも冷静に見つめ直して、子供と会話しましょう。
目指すべき方針や強い向上心を持つためには、落選はいい機会かもしれないですし、本当に実力が上がれば、チャンスは必ず回ってきますから。
親が率先して文句言ってるようでは無理でしょうけどね。
◎そうはいっても、全然次のチャンスが回ってこない!!
はい、基本的にはトレセンシステムは早熟の子が圧倒的に有利です。
J下部組織に所属する選手は別でしょうが、一般のチームにいる場合は最初のセレクションで選ばれないとかなり大きな出遅れとなるシステムなのです。
というのも大掛かりなトレセンセレクションというものは、小学3,4年に行われるくらいで、そのあとの入れ替えは所属チームの推薦またはトレセンスタッフに公式戦などで見てもらい興味を持ってもらう等の運の要素や、チームの勝ち上がりが必要になるので等しく平等とは言えないからです。
一度、その流れに乗り遅れると、中学生に上がるまでは逆転するのがなかなか難しい。
中学に入っても、基本的には小学生からのトレセン歴や所属トレセンは持ち上がりとなるので、さほど変わらない実力なら、既に選出されている選手のほうが有利で簡単には入れ替わらないということです。
◎最初のセレクションで合格するためにはなにを練習すれば?
小学3,4年では、まだ体の大きさはそれほど大きな差になりません。
先ほど書いたように、上のトレセンに上がるためには様々な要素が絡んできますが、この年代の地域トレセンに合格することは比較的簡単です。
・ボールタッチ練習をしっかりしてドリブル技術を上げる(この年代なら試合で2人は当たり前に抜けるくらい)
・インサイドキックは左右で正確に蹴ることができる(飛ばなくてもいいけど、インステップキックの正しいフォームも)
・トラップ技術(止まった状態ではなく動きながらのトラップ)
この3つがしっかりしていれば、地域トレセンに落ちることはないでしょう。
上の条件ができるということは顔を上げてプレイできるということにもなります。
先ほど書いた、うまい選手だけ集めてもしょうがないというのはフィジカル差が出てくる高学年になってからの話で、小3,4なら上記のような技術は当たり前のものと認識してください。
リフティングに関しては、小3なら左右で100回できればとりあえず合格。
1000回できても自慢にはなりますが、評価にはつながりませんから、回数を伸ばすよりいろんな所でリフティングできるように練習するべきです。
ボールを額に30秒くらい乗せる練習もおススメです。
家の中でできる練習ですし、体幹も鍛えられますし、集中した子供の吸収力はスゴイので2週間位でできるようになりますから。
トレセン会場でのアップでリフティングしてるよりもアピールになりますよ(笑)
スクールなぞに行かなくても、小3位までにこのDVDのボールタッチをマスターしていれば、地域トレセンは余裕です。
◎それより上のトレセンに行くためには?
小学4年後半から、さらに上位のトレセンに行くためには先ほどの個人だけの技術でなく、ある程度のフィジカル(スピード又は身長)も必要になってきますし、なによりも相手に対してなにができるかというのが重要ポイント。
・常に相手の逆を取る感覚
・パスを受ける前の視野確保 (視野=パスを半身で受ける意識)
・自分の特徴を生かすプレイ
上のレベルのトレセンになってくると、ドリブルで相手を抜けるだけでは選ばれません。(モンスターレベルのドリブルなら別ですが)
攻撃的な選手でも、ゲーム中のセーフティで正しい選択と相手の裏をかくことのできる意外性のある選択肢の両方を持つことも大事になってくるでしょう。
ちなみに、この年代ならスゴクデカいだけでキーパーのトレセンには選ばれます(笑)
基本的にテクニックのある選手は、所属コーチの指導に耳を傾けてひとつひとつ課題をクリアしていく素直な感覚があれば市のトレセン(大都市の場合)まではいくでしょう。
5年生くらいからサッカー脳が固い選手は伸びなくなります。
俗にいう『プレイの選択肢』を持てないとお話にならないということですね。
ボールテクニック以外ならこの教本(というよりDVDだけでよい)を理解しましょう。
小学5年でマスターできれば市トレセンは固い。
◎それまで無名の選手が中学からトレセンに入れる?
はい、可能性はあります。
ただ、条件的には中学入学時に強豪チームの入団セレクションをクリアして、さらにスタメンとして活躍すること。
一般的には中学生年代からトレセンの人数はかなり絞られてくるので、等しくチャンスというものは回ってきません。
レベルが低いリーグや大会でいくら活躍しても、そうそうトレセン入りの話は巡ってはこないのです。
無名選手がのし上がるためには、トレセン常連の強豪チームの主力になり、監督からの推薦を勝ち取るのが一番の近道であり、唯一の方法です。
ちなみに、よく言われる指導者の繋がりによるトレセン選出の有利不利は間違いなくあります。
近い実力の選手なら、トレセン活動に深く関わっている指導者のいるチームのほうが断然有利なので、チーム選びとしてサッカー協会HP等でトレセン指導者が多いチームを選ぶという考え方もアリですね。
あと、あえて部活に行って中体連トレセンというものになら入る可能性は高いです。
実力はかなり落ちる傾向にあるので、名前ばかりのトレセンにもなりかねませんが。
◎トレセン選出について身も蓋もないこと言うと
余計なことを考えなくても、どこのチームに所属していても、必ず選ばれる選手というのはどう転んでも選ばれます。
どのカテゴリーのトレセンシステムでも、10%程度はそういう誰が見ても抜きんでてる選手で、指導者のエゴが入りようがない選手がいます。
そして、残りの中で20%程度も上位の実力で上のトレセンに行く可能性を秘めた選手、40%程度が安定した実力を持ちそのトレセンにふさわしい実力の持ち主です。
問題がこの下の30%で、このエリアにいる選手は所属チームによる有利不利、友達よりうまいはずなのにコチラが落選、指導者に嫌われているから選ばれない、トレセンコーチのチームの選手をトレセンに入れるためにウチの子が落とされた、、、などなど、いろんな噂話の源にもなります(笑)
要はいてもいなくても影響のない30%。
ここには入らないように練習しましょう。
トレセン選出はサッカー少年・ご家族にとってはプライドをかけた勝負の世界です。
どう戦うかはそれぞれのご家族次第!
親が熱心になりすぎて子供がサッカー嫌いになっても自己責任!
ただ、現代では親が無関心なのに上位トレセン入りするのは、相当な希少種といえる世の中になってきました。
それくらい小学生年代のテクニックも上がってきているし、小学校低学年で身に付けるべき技術も増えてきているので、熱心な親の子供が上手なのは当然と言えば当然。
どれだけ熱心になっても、くれぐれも勉強は忘れないように(笑)
ではこの辺で(^^)/