塾なしアスリートの公立上位高校受験

普通学力のサッカージュニアユース中学生が独学で上位公立高校に合格するまでの記録

実録・正解のない中学生サッカーチーム選び

後悔しない道などないそうそうないスポーツ進路選択

現在小学校6年生のサッカー少年も、中学3年生の受験生も来年度の進路を決めなければならない時期が近づいてきましたね。

選手本人はもちろん、家庭の方針や親のエゴなど様々な要素で変化するこの進路=チーム選び。

この正解のない選択肢の螺旋の中でサッカーを続けている私の身近にいた実在する選手の話をもとにノンフィクション解説していきましょう。

 

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◎現在もJ下部組織(U-18)ユースで活躍するA君

中堅クラブチームで小3まで過ごしたA君は、その歳で既にぶっちぎりのテクニックとサッカー脳を持った少年でした。

その子を見た瞬間にうちの息子のプロサッカー選手はないなとあきらめた程(笑)

小2の段階で既にJ下部組織のセレクション(スカウト?)に合格していましたが、まだ自力で練習に通えないと親御さんが判断し、小4までは地元でエースとして個を磨きつつ、小5から移籍。

J下部でもその才能は上位で、キャプテンを任せられるほどの実力を持ったまま、自宅近辺の公立中学に通い、学力もある程度上位レベルをキープ。

1度、日本代表候補にまで選ばれましたが、残念ながら、そこからはナショナルトレセン止まり(十分凄いですがね・・・)。

それでも、チームからの信頼は厚く、めでたくユース(U-18)に昇格後も、無理せず学力中堅の公立高校に通いながら、プロサッカー選手を目指して頑張っています。

このA君は、本人の才能もさることながら、ご両親のスポーツ教育(スパルタじゃなくてね)方針も素晴らしく、母親も栄養士の資格を取るなど、とても熱心にサポートしておりました。

小4の段階で、冬場の試合後、誰よりも早くベンチコートを羽織り、プロテインを自ら摂取していた姿が忘れられません(笑)

<追記>

2022年春、この選手は都内のプロも多く輩出する某有名私大(MARCH)のサッカー部に推薦入学。

通常受験で入学するのも難しい大学に進学した彼は現代の育成年代のサッカー選手の理想形と言えそうです。

出来れば地元J1チームにプロ選手として帰ってきて欲しいなぁ。頑張れ!

 

◎セレクションでJ下部組織(U-15)にセレクションで加入したB君

中堅ジュニアクラブに所属し当時、小6ながら170cmを超えていたB君は、器用なタイプではないものの、基礎テクニックは十分で、当時の学年のエースとしてチームを支えておりました。

スカウトはされなかったものの、狭き門であるJ下部組織ジュニアユースの一般セレクションで見事合格。

ただ、フィジカル優先の合格だったのは明らかで、入団時からGKの打診(未経験ですがよくあるコンバート)を受けたり、入団してからもDFとして鍛えられておりました。

しかし、公式戦での出番はほとんどなく、中学2年の秋に実力不足とエリート揃いのJ下部組織に馴染めずドロップアウトし、地元の公立中学のサッカー部(全然強豪ではない)に移籍。

中学卒業後は、サッカー優先というよりは学力不足により、私立高校に入学し現在はサッカーを辞めてしまいましたとさ。。。

B君の弟も相当な実力を持った選手でしたが、県内有数の強豪クラブ所属の中学3年時に実力面以外の要素でドロップアウト。(一応私立高校でサッカー続けてます)

サッカーについて大変熱心なお父様でしたが、シングルということもあって色々と大変だったのでしょうか、学力は相当低かったようです。

やはり、サッカー選手の前に一人の人間として成長しないとなかなか難しい。。。

<追記>その後彼は、地元の専門学校(スポーツ無関係)に入学。

 

◎県リーグ強豪(U-15)でスタメンにまでのし上がったC君

同じ市内のどちらかと言えば弱小の部類に入るサッカー少年団に所属していたC君。

当時はチームメイトとの実力差もあったのか、衝突や問題発言も結構繰り返していた王様だったようですが、県でも強豪のジュニアユースクラブのセレクションに合格。

小柄な体格のせいか、中2まではなかなか公式戦には出場できず、移籍も考えていたようですが(不満を感じていた熱心な親のほうがね)、中3の夏からスタメンを奪取。

そこからはスタメンをキープし、主力と言えるほどにまで評価を上げております。

まだまだ小柄(細くはない)ですが、もともとスピードにもテクニックにも優れていたので、めげずに頑張り続けた本人の努力の勝利ですね。

当然、このC君のご両親もサッカーに熱心でしたが、学力は二の次(笑)

ただ、強豪チームなので、私立高校特待をもらうことは比較的容易なはず。

高校サッカーでどうなるかはまだまだ未知数ですが、強豪ジュニアユースに挑戦して、体格も含め、当初の低い評価にもめげずに上を目指した成功例とも言えるかと思います。

 

◎県リーグ準強豪(U-15)で心が折れたD君

中堅ジュニアクラブから、準強豪とも言えるジュニアユースクラブに入団したD君。

ジュニア当時から身長も低く、安定した技術はあるものの、突出した選手ではありませんでした。

準強豪なので決して無謀なチャレンジではなかったのですが、メンタルがあまり強くないこともあったのか、なかなか同学年でのAチームには上がれず鳴かず飛ばずの状態で、中1終わりに心が折れてドロップアウト。

その後、近隣の中堅クラブチームに移籍しましたが、そこでもまだ目立った活躍はできていないようです。

親御さんに聞いたところ、毎回の練習場への移動がきつすぎるのが大きな要因だったようで、それに伴う学力低下も心配されていました。

移動がきついといっても、うちの息子と同程度の約1時間程度なので微妙な理由ですが、やはりサッカーが上手くなりたいとか、上に上がりたいという強い気持ちはなく、なんとなく親が決めたチームに入団した結果という感じがします。

親が主導するこのパターンはたいてい上手くいきませんね。

正直、移動手段や学力に対する考え方も中途半端で甘いです。

 

◎県リーグ準強豪(U-15)から中学部活に移籍したE君

小学生時、中堅ジュニアクラブチームのエースでもあり、フィジカル・テクニック共に優れていたE君。

チームの指導者同士のつながりもあり、是非来てほしいと請われた形で準強豪ジュニアユースクラブにセレクション免除で進んだ彼は、中1からその学年の主力として活躍。

順調に頑張っているかと思っていた矢先、中学2年の秋に突然退団し、通っている公立中学校のサッカー部に移籍(強豪じゃない普通の部活)。

ドロップアウトしたというよりは、もともとサッカーで上を目指す気持ちがあまりなかったE君は、友達の多い中学サッカー部で非常に楽しそうにサッカーを続けております。

D君とは少しパターンが異なりますが、指導者のススメのまま、なんとなくでチームを決めたという点では似たパターン。

中学サッカー部に移籍後は、もともとあった実力で中体連トレセンにも選ばれ、さらにクラブと違い余裕のあるスケジュールの中、TVゲームにも明け暮れ、非常に充実した中学生活を送っているようです(笑)

ゲームに熱中しているくらいですから、学力自体も良くはないですが、なんとか中の下をキープ。

公立高校に入学して普通のサッカー部で楽しく過ごす予定のマイペースなE君でした。

 

◎最初から部活を選んで王様気分のF君

 息子の近隣の強豪クラブでジュニア時代、息子と同じトレセンレベルでサッカーをしていたF君。

トレセンで何度も見ましたが、お世辞にも突出した選手ではないF君はご両親の方針なのか、最初からクラブではなく、地元の公立中学サッカー部を選択。

そうは言っても、ある程度の実力者なので、中学サッカー部では中1から試合に出場し、中体連トレセンにも選出。

本人の気質的にも、今の王様状態が非常に合っているらしく生き生きしてます(笑)
性格的にも自由奔放なのであまり勉強は得意ではないようですが、これはこれで幸せそうではあります。

ちょっと面白いのは、それまであまり熱心ではなかったご両親が、息子の中体連トレセン選出をきっかけに、親子ともども強豪私立高校のサッカー部を目指し始めたらしいです。

でも確かに、中途半端な状態でクラブチームに通うより、中体連トレセンからの推薦・特待狙いというのも一つの方法ではあり、どう転ぶかわからないですよ。

 

 

さあ、私の狭い身近な例ですが、成功と失敗が隣り合わせの実録シリーズいかがでしたでしょうか?

ひとつ言えそうなのは、大人が主導のチーム選びは挫折の可能性が上がるということですね。

例には挙げませんでしたが、セレクションも受けずにコネで無理矢理強豪チームにねじ込んだ子がドロップアウトした話(ドロドロすぎて書きづらい)も身近にありました。

強豪チームにチャレンジすることは、スポーツ選手としては本当に素晴らしいことですが、それはあくまでも大人の誘導ではなく、子供の本心からの選択でなくてはならないと言えそうです。

子供本人は夢を抱えていたり、少しでも上手くなりたいがゆえに格上・強豪チームに行きたがるのは当然の流れですが、大人は応援しながらも、次の(別の)視点を持つことも大事になってくるはずです。

結局、例に上げたA君からF君までのうち、一番学力が高いのが、一番成功してるA君というのも皮肉なものでございます。

 

さあ、あなたのお子さんはどう勝負しますか?

 

 

 

 

 

ではまた(^^)/